Memo

リュオン
ダークグリーン

あけましておめでとうございます。
今年もまったり、宜しくお願いします。

突然なんですが、昨年読んでいたのに感想を書いていなかった
『ダークグリーン』という漫画の感想を書いていきます。
大好きになったのになんで書かなかったのか0(:3 )〜 _(‘、3」 ∠ )_

『ダークグリーン』は80年代前半のわりと古めな作品になります。
絵柄は少女漫画ですが、シナリオはSF。
夢の世界や環境問題を題材にした、スケールの大きな作品です。
美しく力強く、切なく描かれています。

何が好きかって、自分も大好きな「夢」を題材にしてるからです・・・
夢の世界のでたらめさ、無意識界、集合意識など、好きな自分にはたまらなかった。
もっと早く知りたい作品でした・・・

追記でもっと語ります。

ストーリーの流れは簡単に要約すると以下のような感じ。


世界中で多くの人が同じ世界の夢を見る。
それはR・ドリームと言われ、その悪夢の中で死んでしまうと、現実でも死んでしまうという。
R・ドリームの中で、ゼルという侵略者と戦い続ける主人公・北斗は、リュオンという少年に出会う。
リュオンは目覚める事ができず、ずっとR・ドリームで戦い続けている。
北斗は、現実世界でリュオンの体を探し、R・ドリームの正体を探りながら、
世界で起こっている真実を知っていく物語。


この「R・ドリーム」というのが、「夢の集合意識」なんだろうなと思います。
自分は創作サイトでめっちゃ夢について調べたり語ったりしてるくらい夢が大好きなんですが、
もうこの感じだけでテンションアゲアゲです。笑
夢の詳しい事についてわかれば分かるほど、細部の演出が細かくて最高に楽しいんですが、まぁそれは割合します。
この漫画で思った事、感想語ろう・・・

とりあえず全部読んで思った感想。
『人類はでかくなりすぎたし、もっと現実見て』
という感じです0(:3 )〜 _(‘、3」 ∠ )_
全体的に複雑で説明しろと言ったら大変難しい作品です。
基本はSFなので読みやすいと思うんですが、
夢というか、無意識というものに関心があると、より理解がしやすい作品です。

特に環境問題の取り上げ方は、とても美しくも恐ろしい描写でした。
今現在も環境問題は深刻で、環境破壊は止まるどころか進行しているように思います。
ダークグリーンは、夢という表現を使ってそれを思いっきり訴えている。
夢で環境問題?と、接点が???となる方もいると思うんですが、
『無意識界の集合意識』の事を少し調べてもらうと分かるかなぁと(投げやり)

人間の起きている時の意識って、全然大したこと無いんです。
無意識に潜れば潜るほど、『個』がなくなり、大きな共通の意思にたどり着く。
それが漫画の中のR・ドリームのように思えます。みんな同じ場所に行きつく。
もっともっと深く潜ると、自分の意識がなくなってしまう。
それは作中で、世界中の人の無意識を構築する場面があるんですが、そのあたりがよく書かれていくなぁと感じました。

R・ドリームに出てくる侵略者「ゼル」の正体は、人間が生み出した有害物質などです。
空気中の有害な空気や食べ物の添加物、なくならないゴミや戦争、とにかく自然を壊すいろいろ。
R・ドリームで生きてきたリュオンは、現実に意識を移せた時、現実世界はゼルで満ちている!と絶望していた。
リュオンは純粋な無意識界の人物なので、普通の人間とは違う目がある。

そして、この世界中の人が見た夢は何が原因だったのか、という調査もあるんですが、
正体はなんと「植物」
世界は植物が支配しているといっても過言ではないと思うのですが、
環境破壊って植物がなくなっていってるのが大きな問題だと思うのです。
植物がなくなるとどうなるか。
光合成による酸素の生成がなくなり、
植物の浄化作用がなくなって土壌や水の汚染が始まり、
また食べ物もなくなる。
結果的に星全体がしんでしまう。
こんなに植物は大きな存在なのです。「神」と言っても良い。
この漫画では、植物の意識を神のような描写にしており、かなり納得できます・・・

そして突如、R・ドリームを誰も見なくなる、という展開もあるんですが、
その原因も探るのですが、それは、神、すなわち「植物」達が、
このようにゼルの夢を見せても、改善できる見込みがないと判断し、この計画をやめたことが原因。
集合意識へのアクセス権を多くの人からはく奪したようなもんです。
現代の人間が夢を軽視しがちな事もあるんだろうけど・・・
ゼルが戦っても戦っても消えない、という点に疑問をもっていなかったし、
ゼル=環境問題、ととらえると、見ようとせず閉じ込めたり、
理解しようとせず反抗してばかりで、一向に改善向かわないと判断するのはしょうがない事です・・・

ストーリーの過程で、植物界の意識、つまり神と会話する主人公の北斗だけども、
その後も一生懸命人類が滅びないように努力するんですよね。
けど、リュオンは人間側が生み出した意識で、植物界の理屈が分からない。
リュオンは人類がゼルに負けない、向き合うために生まれた存在で、本人はそれを知った時、ひどく傷つきました。
すごく感情豊かで人とそう変わらない、
時に子どもらしく悩む姿が人間そのもので、それでもゼルと戦うための力だけがとても強い。
こんな心のか弱い男の子に、人間の身勝手さから生まれた闇をすべて背負わせるのかと。
それだけで悲しいのに、最後は人類がそれを解決できるまで、
永遠にゼルと戦い続けるという選択を自ら選ぶのです。
その決断をしたのも、北斗と一緒に旅をして戦ってきたから、信頼関係ができたからだと思うけど・・・
人類が環境問題を改善しない限り、リュオンも永遠に戦い続けるのです。これがラスト。
こんなん悲しいやん・・・
北斗はそれを知ってるから、最後の泣く姿はほんとにつらい。

世界を知る植物の意識「ダークグリーン」
タイトル通りです。
なんか感想も言いづらいくらい複雑なんだけど、いろんな人に読んでもらいたいなぁと思える作品です。